司法書士・行政書士
今 野 智 喜
内容証明・裁判手続・相続登記
家事事件(家庭裁判所の手続)
家庭裁判所では、その名のとおり家庭内の法律手続きを行う裁判所です。
一般に知られているのは、「離婚調停」や「遺産分割調停」だと思いますが、行方不明の人がいるために法的手続きが進まない場合には「不在者財産管理人申立」、認知症などで意思能力が減ってしまった場合に申し立てる「成年後見申立」などもあります。また、相続手続のところで書いた「相続放棄の申述」も家庭裁判所で行います。自筆証書遺言の「遺言書の検認申立」も家庭裁判所に申し立てます。
調停は相手方がいて揉めてるわけですから、弁護士の先生にお願いすることも考えた方がよろしいかと思います。後半の申立や申述は、申立人が申し立てて裁判所が確認しつつ進めるものなので(いわゆる敵がいないことが多い)、弁護士の先生を付けないで申し立てることも多いと思われます。
ここでは法定成年後見について説明します。
(なお、ご自身が元気なときに事前に後見人を決めておく手続きを「任意成年後見」と言います。)
意思能力が衰えてきて財産管理等が難しくなった場合に、後見人等(保佐とか補助とか意思能力にしたがって類型があります)の選任を裁判所に申し立てるという制度です。
補助:判断能力が不十分な状態
保佐:判断能力が著しく不十分な状態
後見:判断能力が常に欠けている状態
という3つの類型になっております。
裁判所決定するとはいえ、裁判所にお医者さんはいないので、申立の時に裁判所所定の診断書をお医者さんに書いていただいて判断能力の状態を確認してどの類型に当たるか確認してから申し立てます。
親族の方が後見人等に就任することもありますが、遺産分割協議が必要だったりすると司法書士や弁護士といった専門職が後見人等になることになります。所有している土地の売却なども後見人等がいないとできないので、いろいろな場面で「後見人等を選任しないと話が進まない」ということがあります。
後見人等に誰を就任させるのかは裁判所が決めることなので、「親族である自分が後見人になりたい!」と申し立てても専門職が就くことがあります。