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債務整理

債務整理には、任意整理、特定調停、民事再生、自己破産の4つがあります

場合によっては、消滅時効を使って債務をなくす方法もあります。

昔から借りている場合には、利息の払いすぎでお金が戻って来る場合もございます(過払い請求)。​

認定司法書士や弁護士が受任した場合、次のような流れになります。

 

(1)相談・受任

   専門家からの受任通知発送

   【取り立てがストップします】

(2)債権者から全取引履歴の開示

(3)利息制限法の利率で再計算

  → 過払があった場合、過払請求 

(4)債務が残った場合

  →返済計画が立てられそう

   (任意整理、特定調停)

  →元本カットできれば返済できる

   (民事再生)

  →残念ながら返済する余力がない

   (自己破産)

 という感じで手続きを選択します。

任意整理

任意整理とは、裁判所の手続を使わないで、債権者と交渉して あらためて支払の仕方を決めて、債権者と和解する方法です。

認定司法書士や弁護士が受任した場合、契約当初からの取引履歴を金融業者に請求し、 それを元に利息制限法の利率(15%~20%)の利率で計算し直します。約定利率との差が 10%前後ありますから、払いすぎていた利息は元金に充当していきます。 そうなれば、「約定利率請求の元金」とは違い、減った金額が元金になりますから、 楽な返済計画が立てられるわけです。

ただし、平成18年1月の最高裁判決(いわゆるグレーゾーンを実質的に否定した判決)、そして法律の改正があったため、ここ数年前から借金を始めたという方の場合は、金利がすでに利息制限法以下の契約ですので、上記のように「金利を計算し直せば、元金が減る」ということがなくなっております。

「利息をつけて支払っていく」という状態を「利息なしにしてもらう。また、月々の支払額を減らしてもらう。そうして、支払える範囲に収まる」という形になることが多いと思います。元金が減らないと難しいとなれば、個人民事再生を申し立てることを検討した方が良いでしょう。

消滅時効(いきなり以前借りた借金の請求が来たとき)

貸金業者がお金を貸している場合、目安として最後に支払ってから6年以上経過していて、その間、訴訟などを起こされることもなく、借主の方から支払うという意思表示をすることもなければ、借りている方は消滅時効を主張することができる可能性が高いです(業者の貸金の消滅時効の期間は5年ですが、催告すると6ヶ月時効期間が延長するので、ここでは余裕を持って6年以上と記載しております)。

仮に貸金請求の裁判が起こされていれば、判決確定から10年で時効になります。ただし、刑事事件の時効と違い、民事事件の時効は自らが「消滅時効を使うよ」と主張しないと時効で消滅することはありません。

確実に相手に時効主張したことを残しておくために、内容証明郵便を使うことが多いです。

上記にように「時効を使うよ」と言わない限り、債権者が請求できますし、その請求に応じて少しでも払ってしまえば、消滅時効が中断して、支払った時点から新しく時効の期間がカウントされることになります。

請求書が来たけど、ずっと払ってない気がするという場合は専門家に相談した方がよいでしょう。明らかに時効とわかっていても、請求だけでなく、訴訟(裁判)をしてくる会社もありますので、慌てて相手方に連絡を取ったりしないで、専門家に相談してください。

上記は一般論ですので、債権者から来ている書類を確認しないと消滅時効になっているかどうかはわかりませんので、古い借金の請求書が来たり、古い借金の裁判を起こされたときは、すぐに専門家にご相談ください。

ご本人名で消滅時効の内容証明をお作りする場合の費用ですが、15,000円~20,000円くらいとなっております(税別・郵送料別)。

特定調停

特定調停とは、裁判所を使って、債権者と支払の仕方を決める手続です。

簡易裁判所から所定の書式をもらい(説明会を開催している裁判所もあります)、書類を書き、裁判所に提出するわけです。

裁判所の職員の方のチェックを経て、受理されると、簡易裁判所から各債権者に債権届を出すように連絡がいきます。

取引履歴を開示させて利息制限法の利率で計算し直すとい うのは任意整理と同じです。任意整理では認定司法書士や弁護士が行っている債権調査を特定調停では裁判所がやってくれます。

債務総額が判明してくる頃に、生活状況や返済可能性について、調停委員と申立人本人の面談があり、調停がまとまりそう(返済可能性がある)となれば、調停の期日を入れるという段取りです(八戸簡裁の場合なので、他の簡裁ですと違うかもしれません)。基本的に債務者本人で十分出来る手続です。

本人でできますので、専門家に支払う費用が必要なく、比較的に安価で債務整理ができますが、本人で行うとすれば、当然、裁判所に足を運ばないといけませんし、和解でできあがった調停調書は判決と同じなので、約束通り支払わないと差押えをされてしまうというデメリットもあります。また、36回払い(3年払い)で和解になることが多いようで、負債額が大きいと和解が難しい可能性もあります。

 

個人民事再生

民事再生手続は簡単に言えば「これくらいなら支払えるから、まけて!」という手続です。

 

純粋な民事再生手続は巨大企業から一般個人まで使えるのですが、当然、手続が煩雑になります。そこで、個人用に「小規模民事再生手続」と「給与所得者民事再生手続」の2つが作られました。

 

前者が自営業者にも使える手続で、後者はサラリーマンなど毎月一定の所得がある人をターゲットにしています。前者の手続をサラリーマンが利用することが可能です。

 

小規模民事再生の方が要件が緩やかなのですが、債権者が支払計画について反対することが出来ます。 給与所得者民事再生は要件が厳しい反面、債権者が再生計画案に反対する手続がありません。裁判所がOKと判断すればそれで支払計画が認められたということになります。 実際は小規模民事再生を利用することが多いです(給与所得者民事再生はなかなか要件にあわないことが多いです)。

 

これらの手続の一番のメリットは「住宅を手放さなくても良い」ということでしょう。 破産手続であれば、住宅はいずれ競売に掛けられて売られてしまうでしょう。 この手続ではそれを防ぐことが出来ます。 しかし、小規模民事再生も給与所得者民事再生も一定の金額を支払っていくことになるので、それなりに余裕がなければ、使うことが出来ません。 この手続は自己破産と違い、支払っていけるかどうかの金額の算出や支払計画の作成など、専門家を付けないと難しい手続だと思います。

 

自己破産

自己破産は、借金がとても支払えない場合に(支払不能状態)利用する裁判所の手続です。

 

個人の場合は免責手続へ進み、借金を支払う責任を免除してもらうか否かも裁判所に判断してもらいます。

破産というのは財産を精算する手続ですので、財産の有無が重要になります。 といっても、家にある生活必需品や家財道具も取られるということはありません。

通常の生活に必要な財産はそのままです。価値の高いものを所有している場合は それをお金に換えて精算する(債権者に配当する)ことになります。精算する金額が大きい場合や現金化に時間がかかる場合などは破産管財人という人が付くことがあります。

 

また、「戸籍や住民票に載るか?」「家族は代わりに支払わなければならないか?」 「選挙権などがなくなるのか?」と聞かれることも多いのですが、それはありません (ただし、家族が連帯保証人になっている場合は連帯保証人として支払わなければ なりませんが、これは家族だからではなく、連帯保証人になったからです)。 精算が終了(あるいは精算するものがないので終了)したのちに、「免責手続」に進みます。

 

これは借金を支払う責任がなくなるので、借り入れた理由などを問われます。例えば、「すべて遊びに使い、何の反省もない」のであれば、免責不許可になることもあります(破産したけど借金を支払う義務が残る)。 説明のために「破産手続」と「免責手続」を分けましたが、実際の手続的には一体化しております。

過払い請求

過払請求とは、貸金の場合に業者の約定利率を利息制限法の利率(15%~20%)に引き直して計算した結果、利息を払いすぎていた場合、金融業者に払いすぎた利息を返還するように請求することです。

 

以前、多くの貸金業者や信販業者のキャッシングは25%~29.2%で融資しておりました。しかし、平成18年1月の最高裁判決において、この高い金利で取っていた利息は無効である旨の判決が出され、取りすぎた利息を返還するようになりました。

 

高い金利で借りていて、ずっと返済している。あるいは、高い金利の時に借りて返済し終わっているが、返済後10年以内(返済後10年で時効により返還請求できなくなります)という場合には過払いになっている可能性があります。

 

平成18年の判決以降、大手の会社は新規契約では法定利率内で契約するようになり、平成22年6月18日に改正出資法が施行され、その日以降の契約はすべて法定利率内での契約になっております。「10年前から借りています」という方でも法定利率内の契約がほとんどなので、最近ではほとんど相談もなくなりました。

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